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暗闇の向こう側
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阿川の野郎どこに行った……?
クソッ……
腹が空いてしょうがない……
あの時、素直に貰えば良かった……
ったく、調子が狂う……
階段を上がって渡り廊下を歩いた。誰もいない廊下は薄気味悪かった。
改札口を見ても、駅員の姿はない。ただ改札口の向こう側は真っ暗だった。
一瞬、阿川が改札口を出てどこかに行ったんじゃないかと考えた。でも、外は闇だ。こんな真夜中にどこかに行こうとしても無理だ。
なにせここは田舎だ。都会でもないし、ネオンの明かりもない。見た感じじゃ、電柱の明かりさえもなかった。
やっぱり阿川は、まだ中にいるかも知れない。
だとすればトイレか……?
俺はそう思うと、駅のトイレへと向かった。もしかしたらいるかも。そんな曖昧な思いつきでトイレに行った。
トイレには明かりだけがついていた。だけど中はシンと静まり返り、人のいる気配もない。
なんだか不気味だ……。
阿川の野郎……。
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