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「そのことですか…――」
阿川は葛城からそのことを聞かれると、一瞬だけ口を噤んだ。そして背中を向けると空を仰いで話した。
「………俺ですね、こう見えても臆病だったりするんですよ。知ってましたか?」
「阿川……?」
「あの時は勢いで貴方に酷いことしてしまったけど。貴方を抱いたあと自分の罪悪感に耐えられなくなったんです……。何より、葛城さんが目を覚ましたあとが怖かった。葛城さんの事が好きだったから、だから貴方に嫌われるのが一番怖かった…――」
「あんな大胆なことした癖に、何言ってるんだって感じなんですけど……でも貴方の口から嫌いって言われたらまともに立ち直れそうにもなかったんで、 だからあの時は貴方から逃げてしまいました…――」
「ごめんなさい……最低ですよね。好きだとか言って自分を無理やり抱いたヤツが、目を覚ましたら隣に居なかったなら俺が貴方でも怒りますよ――」
阿川は葛城から背を向けたまま、自分の思いを打ち明けた。葛城は彼からその話を聞かされると、再びため息をついた。そして自分の顔を手で押さえたのだった。
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