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恋のスタートライン
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「俺はお前に辞めて欲しくないって、そう思ったんだ――。だから戸田課長に言われたから連れ戻しに来たんじゃないぞ……!」
「それに俺は………!」
「葛城さん……!」
「ッ…!?」
その瞬間、阿川は彼の名前を呼ぶとバッと抱きついてきた。急に抱き締められると、葛城は驚いた表情を見せたのだった。
「………ありがとうございます…………!」
阿川は葛城のその気持ちが嬉しかった。
本当だったら嫌われても当然なのに、不器用だけど自分を受け止めてくれる彼の心の広さに、言葉では言えないくらいの気持ちに心が満たされたのだった
。
彼を抱き締めるとその腕は震えていた。
自分より、大きな体格の男が目の前で小刻みに震えている姿をみると、葛城はそっと彼の背中を叩いて受け入れた。まるで幼い子供をあやすようなそんな優しさが手のひらから伝わったのだった。
阿川は葛城の肩に顔をうずめると、そのまま自分の顔を手で覆って泣いた。そして再び「ありがとう」と震える声でそう言ったのだった――。
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