アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
デスクの前で深いため息をつくと、再び手にペンを握り締めた。毎日、徹夜と残業で彼の仕事を代わりにやったら何とか無事に終わった。
あとは葛城さんが来てくれれば、問題はなかった。
……いや、彼が来てくれたら嬉しい気持ちとは半面。やっぱり怖い。
彼の口から嫌いと言われたら、立ち直れそうにもない。それに本当に来てくれるのか不安だった。
もしかしたら本当にこのまま……なんて、また弱気なことが頭の中に過った。
最後の仕事を終えると、俺は小さな紙に何て書こうか考えた。デスクの上を指先でトントンと音を立てながら考えると、頭の中で書いた手紙をくしゃくしゃに丸めて捨てた。
ここはやっぱり、"ごめんなさい"と書くべきか?
それとも"貴方の分も、仕事やっておきました"って書くべきか?
……いや、どっちもやめとこう。ごめんなさいだったら、謝るくらいなら最初からするなって逆に怒られそうだし……。"やっておきました"なら、単に恩着せがましい奴だよな……。
ああ、こんな時に言葉が上手く浮かばない。
俺ってセンスないな。
こんな時、何て書けばいいんだろう…ーー?
自分のデスクの前で頬杖をついて考えた。
だけどなかなか思い浮かばない。小さな紙に書くのは、たった一言のメッセージだった。
なのにその言葉が今は重い。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
217 / 235