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初恋Ⅱ
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「国見ちゃん おはよう♡」
ネットを運んでいると
いきなり後ろから抱きつかれた
「や‼︎ 止めて下さい‼︎ 及川さん‼︎」
両手が塞がった状態だったため
抵抗が一切出来なくて ただ身を捩る
「及川さん 国見が嫌がってます」
横に視線を向けると
影山がボールを持って立っていた
「何ぁに⁇ 飛雄ちゃんもしてほしいの⁇」
にや〜っと笑って片腕を俺に残し
もう片方で影山を抱き寄せる
「そんな事 一言も言ってません‼︎」
影山もジタバタと暴れ出す
「おら クソ川‼︎ 一年に絡むんじゃねぇって
何時も言ってんだろ‼︎」
バコン‼︎と及川さんの頭から凄い音がして
俺達はその腕から解放された
「痛い‼︎ ヒドイよ‼︎ 岩ちゃん‼︎」
頭を押さえながら 及川さんが振り返る
「国見と影山が嫌がってんのに
お前がしつこくするからだろ⁉︎」
岩泉さんが ギロッと及川さんを睨むと
及川さんは 頬をぷ〜っと膨らませている
「違うもん‼︎ 二人は嫌がってないもん‼︎
ちょっと照れてるだけだもん‼︎
岩ちゃんのバカ〜‼︎」
とか何とか叫びながら
岩泉さんの背中をポカポカと叩いている
「それに 国見ちゃんは病み上がりだから
体調大丈夫か気になったんだもん‼︎」
その言葉を聞いて岩泉さんが俺の方を振り返った
「昨日休んでたもんな 体調大丈夫か⁇」
「あっ はい」
岩泉さんは俺の頭をワシャワシャ撫でながら
「キツかったら
無理しないで直ぐ休むんだぞ⁇」
な⁇っと優しい笑顔を俺に向けてくれて
はい…とその笑顔に魅入りながら返事をした
「岩ちゃん 俺にもそれやって〜」
「…ウゼェ」
優しい先輩達で良かった…
その時は単純にそんな事を思った
及川さんと岩泉さんのやり取りを
ボーッと見ていたら
ヒョイっと手にあったネットが無くなった
顔を上げると影山がボールとネットを抱えていた
「国見 具合悪いんだろ⁇ コレ 俺が運ぶ」
「いや もう大」
言い終わる前に影山は走り出してしまった
慌ててその後を追いかけようとしたら
グイッと腕を引かれ 振り返ろうとすると
及川さんの息が耳にかかり
思わず「あっ…」と声を上げてしまった
耳を押さえると
ニコッと笑った及川さんと目が合い
俺は表情を変えないようにするので必死だった
『今日 放課後 残れる⁇』
俺は何も言ってないのに
及川さんのあの確信を得たような顔が
何とも言えず腹立たしかった事だけは
今でも鮮明に覚えている
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