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合縁奇縁Ⅱ
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「国見…国見…」
俺は今 自分家のベッドの上で
影山の下で コイツに抱きつかれている
俺の問い掛けに「え⁇」と言った腕を掴んで
戸惑っているコイツを家に連行して今に至る
「…国見」
俺の首筋に顔を埋めて また名前を呼ばれる
正直どうでも良くて 目を閉じた
発情期じゃない俺のフェロモンがどんな物かは
全く解らないけど
αの性欲煽るくらいは出来るだろうと思った
「…国見」
さっきから一向に進まない行為に
イラッとして目を開けた
何なんだよ…と思い影山の肩を軽く押すと
身体が離れて 目が合った
その瞬間 心臓を鷲掴みにされるような感覚に
思わず目を逸らした
「…あ……えっ…と………」
言葉が上手く出てこない 心臓がバクバクと煩い
だってコイツが
及川さんが岩泉さんを見る様な目で
俺を見ているから
『…好きだ』
止めろよ… そういう本気みたいなの…
俺は ちょっと鬱憤を晴らしたいくらいの
軽い気持ちで連れて来たのに
さっさとヤって帰れよ…
「…何かあったのか⁇」
ドキッと 今日一番心臓が跳ねた
「…試合で負けた」
きっと影山だって知ってるであろう事を
苦しい言い訳に使った
「…うん」
不納得そうな声に視線を戻すと
ジーッと俺の事を見ていて
誤魔化すように上体を起こすと
影山の下から抜け出た
「…ヤらないなら 帰れよ」
俯きながらそう言うと
後ろからまた抱きしめられた
「…及川さんと 何かあったんじゃねぇの⁇」
本能で生きるデリカシーのない奴は本当嫌い
普通 察してもそこまでストレートに訊くか⁇
「…べ」
別にって言おうとしたのに言えなかった
流したくもないものが頬を伝っていく
「…っ…ふ…」
本当最悪… 何で毎回こんな奴の前で…
俺の身体に回されている腕に
ギューッと力が込められ 体が密着して
影山の下半身の硬さに気づいた
…バカじゃねぇの⁇
さっさとヤりゃ良いのに…
座っている俺を 膝をついて抱きしめているから
影山の顔は 丁度 俺の項辺りにあって
αにとっては拷問の様な状態のはずなのに…
「…国見」
今まで聞いた事のない切なそうな声に
俺まで妙な気持ちになっていく気がした
「…好きだ」
この前みたく茶化せないのは
コイツ どんだけ俺の事好きなんだよ…
って 心の中で思ってしまったからだと思う
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