アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ドライブ3
-
夕方になり、人が少なくっていった頃。俺と一ノ瀬は二人で砂浜に座っていた。
「そろそろ帰ろ?暗くなってきたし。」
俺は、沈黙を破るように立ち上がり言った。
一ノ瀬は無言でこっちを向き、「なぁ、湊叶。ちょっと話そうか。」と微笑んだ。
「でも暗いし、車の中でもいいよね?」
戸惑いながら、一ノ瀬を見た。
「ここで話したい。」
「わかった。」
俺は、一ノ瀬の横に座り直した。
一ノ瀬は俺が座ったのを確認して、淡々と話し始めた。
「なぁ、湊叶は俺が他の人を好きなったらどうする?俺を嫌いにかるか?それとも俺の事諦める?」
一ノ瀬は俺の顔を見ることなく、真っ直ぐ海を見て話していた。
「どうしてもその二択じゃなきゃダメ?」
一ノ瀬は好きな人が出来たら、そうして欲しいってことなのかな?
「ほかに何がある?」
「一ノ瀬が浮気してても俺は、ずっと好きなままだと思う。」
「別れても?」と一ノ瀬からの問いかけも俺は「もちろん。」と即答する。
続けて
「しかもそれ以前に俺は、一ノ瀬みたいな人が俺なんかに人生かけてくれるなんて思ったこと無い。でもそれは、俺が一ノ瀬のこと信じてないってことじゃなくてさ、いつか離れて行くことは分かってた、みたいに俺が自己満足したいだけなんだよね。きっと。だから俺が勝手にそう考えてるだけ。」
一ノ瀬は「そっか。」と小さい声で言っていた。
一ノ瀬の好きな人が電話の人のことを言ってるなら、でかい口叩いたのはいいけど、俺に勝ち目なんてない。
それに電話の人が一ノ瀬にとっての親しい人でお互い心が許しあえる存在だと思う。
きっと俺にはなれないところにあの人はいるんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
49 / 67