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宗太郎の悔し涙
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〈成宮side〉
ジリリリリリ………
「…………ッチうるせー。」
俺は手を伸ばし目覚ましを止めた
俺の寮部屋は特別室といって大きな一人部屋
だから目覚ましの音がよく響く
「はぁ…………。」
宗太郎。
俺の生き別れの弟
可愛いかったあの笑顔は今でも脳裏にまで
焼き付いている
本当に可愛いかった。
『やだよぉ……!
お兄ちゃん!一緒がいいよ!』
宗太郎が最後に言った言葉
あの悔し涙を流す宗太郎の顔を
忘れることは不可能だろう
あんな別れ方はしたくなかった
あれから宗太郎がどこでなにをして生きているかも分からない
………いや、分からなかった。
阿部宗太郎。
コイツが来るまでは。
今考えれば昨日、阿部が見せたあの、
悔し涙は、似てるなんてレベルじゃない。
宗太郎、本人そのものだった。
でも待てよ。
もし、阿部が宗太郎だったら
俺は何をしてあげればいいんだ?
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