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僕の初挑戦
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まずは、慎重に……
「そういえばさ、ヒトミって前から好きな人いるんだよね?」
……………
やってしまったーーー!!!
「えっ?あぁ、、、そうだけど、いきなりどうした?」
どうしよう。どうしよう。
……よし!
とにかく、当たって砕けよう!
「告白しないのかな〜って。」
そう言うと、ヒトミはあからさまに赤くなった。わかりやすすぎだって。それは。
「言いたいけど、気まずくなるのとか嫌だろ……!」
「そんなの、そのあとどう動くかによって変わるじゃん。」
ごくごく自然に。さりげなく。頭の後ろに手を組みながら他人事のように言えば、勢いよくヒトミがこちらを向いた。
「そうか!?」
「そうだよ。なんてね〜って誤魔化すとか、真剣にとりあえず友達からって言うとか、他の奴を好きでもいいから!って言うとかさ〜。」
あえて、逃げ道を教えた。これなら、僕が気にしないふりをすれば済むから。
まぁ、断ることはしないけどね。
「でもいいなぁ〜。ヒトミの好きな人。」
「?なんで?」
最後に、僕のとっておきの一言。
「だって、ずっとヒトミと一緒にいられるんでしょ?いいなぁ〜……僕だって、ヒトミと…………なんでもないっ!」
いけた!
慌てて口を塞ぐ振りをして、ちらっとヒトミを見た。見事なまでに真っ赤になったヒトミは、まさにゆでダコ状態。ここまで言えば、ヒトミは動く。
「あのさ!アズマ……」
「ん?なに?」
「放課後、時間空いてる?空いてるなら、ちょっといいかな……?」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
「空いてるよ。じゃあ、放課後になったら教室で待ってるね。」
「おう……!!」
真っ赤になりながら嬉しそうな顔をするヒトミ。そんなヒトミを見てて、ふっと思った。
僕が、もっと生きていられたら。
ヒトミと、未来を紡いでいたのかもしれない。
でも、それはできないんだ。
だって、僕はもう長くないんだから。
付き合ったところで、いいことなんかない。隠した方がいいに決まってる。
好きだからこそ、苦しめたくない。
あのね、ヒトミ。
さっき途中で止めた言葉の続きね。
『だって、ずっとヒトミと一緒にいられるんでしょ?いいなぁ〜……僕だって、ヒトミと…………
何年後も、ずっとずっと、一緒にいたいよ……』
あーあ。
いつ死んでもいいって思ってたのになぁー。
こんなの、想定外だよ。
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