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僕の幸福理論
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ヒトミside
その日は唐突にやってきた。
珍しくアズマが寝坊したその日。
珍しいっていっても何回かは経験してたから、アズマの言う通り先に学校に向かった。
俺だってアズマ以外にも親しい奴はいるから、クラスに行っても浮きはしないし、楽しいと思える時間も過ごせる。
でもやっぱり、アズマがいないとどこか物足りない。
早く来ないかな、とか、そんなことを思いつつ笑っていた。
そこに、アイツは来た。
「…アズマくん、いない…?」
頬に白いガーゼをつけた浜田脩。
コイツがアズマのことを好きなのは、どう見てもわかった。
でもアズマが好きなのは俺。
「アズマはいねぇよ。今日は寝坊してたからな。」
俺は知ってるんだぞという意味も込めてそう言うと、浜田は何故か泣き出した。
「ひっく……西田くん…っく、…お……い……すけ……て……」
〝助けて〟
浜田は、そう言った。
冗談で言ったわけじゃないと思ったから、話を聞いた。
そして、知ってしまった。
「昨日、アズマくんに、…ひっく、告白されて、断ったら、ほっぺ…っ……」
浜田は頬のガーゼをめくって見せた。
「きゃっ……」
女子の小さな悲鳴。無理もない。
浜田の頬は酷く赤く腫れていた。
これをアズマがやった?
告白した?
俺は?
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