アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
僕の幸福理論
-
(ここからはアズマsideに戻ります)
「あら、お友達みたいね。」
ちょうど来ていた看護婦さんがそう言ったのと、小さな音を立ててドアが開いたのはほぼ同時だった気がする。
『お友達』
別にヒトミが来たとは言ってないけど、無意識に胸が高まる。
会いたかった。
会いたかったんだよ。
ヒトミ──。
「お、元気そうじャナァイ?」
「…?……アラ、シ?」
誰?アラシ?ヒトミは?
そう言おうとしたその瞬間、気まずそうな如月先生の顔が目に入った。
僕が今ヒトミのことを口に出したら、自分が連れてこれなかったからと先生が傷ついてしまうかもしれない。
ダメだ。笑わなきゃ。
「…アラシ!久しぶりだね。ちゃんと学校行ってるの?w」
アラシは少しの間驚いたように僕を見ていたけど、そのうち諦めたように笑って元に戻った。
「…ハッ、バカだろ、学校ぐらい行ってるっての。」
「こないだは行ってなかったじゃん。」
「ッセ。アレは停学チューだったじャねェか。いつもはフツーに行ってるに決まってんだロ。」
「ふーん?ww」
「殴んぞ。」
しばらく話していると、先生はホッとしたように笑ってドアに手をかけた。
「じゃあ俺は学校戻るね。アズマくん、体にはくれぐれも気をつけてね?」
「うん、ありがとね先生。」
楽しそうに笑えば、笑顔を返してくれる先生。よかった、誤魔化せた。
カラカラと静かにドアから先生が出ていったのを見届けると、無意識にため息がこぼれた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
68 / 112