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僕の幸福理論
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「……?」
アラシの口から出た言葉は、1ミリだって理解出来なかった。
だって、僕の最後の記憶のヒトミは。
僕のことが大好きで、告白までしてくれて。
その次の日も、普通に笑っていて…?
……次の日?
頭が割れるように痛い。まるで、思い出すなと言ってるみたいに。
でも、思い出さなきゃいけない気がした。
…なんで僕は、忘れてたんだろう。
「ぐっ…」
次の日、僕は何をした?
なんでもないフリを演じて、
いつもどおりに登校して、
いつもどおりに笑って、
僕さえ耐えれば、みんな幸せになれるんだって。
そうやって、周りを騙して?
そして?
「はぁっ、はっ、はぁっ…」
胸が痛い。ズキンズキンする。
涙がポロポロと落ちていく。ずっと、それを放心したように見ていた。
「……アズマ?」
流石に心配になったアラシが声をかけてきた。
呆然とアラシを見つめる。
「……アラシ……どうしよう…僕…」
胸が痛い。張り裂けそうだ。
ああ、どうして僕は──
全部、思い出してしまった。
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