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僕の最終通告
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言い切った。
もう、僕の役目は終わり。
そう思った途端、ぐらつく体。
ヒトミもホッとして手の力を抜いてたから、僕の体は簡単に車椅子から落ちた。
衝撃。その痛みも感じなくなった体。
「…アズマっ…!!」
僕の名前を呼ぶヒトミの声が、なんでが遠く聞こえた。
小さく咳をすれば、何かが口から零れてくる。
口を抑えた手を見ると赤い血が見えた。
いつの間にか僕の周りを知っている人が囲んでいた。
アラシ、如月先生、シュウくん、リュウくん、
そして、ヒトミ。
「…ぼ、く……だ、…たくない…よ……」
キラキラ、キラキラ。
涙でぼやけた視界が、キラキラ光る。
神様、神様神さまかみさま。
もうお腹いっぱいだけど。もう幸せだけど。
「…まだ……死にたく、ない…よ……!」
ヒトミの手をつかむ。もう力の入らないその手を、ヒトミはしっかりと握ってくれる。
そうだ、注射を。
きっと今使うんだ。
「…せ、んせ…」
「アズマくん!?どうしたの!!?」
注射があるんだ。
「ちゅ、しゃ……るま…いすの、はっ、横…」
それを聞いてすぐに視界から消える先生。次に先生が見えた時、その手に注射の入っている箱が見えた。
「アズマくん、これだね!?」
必死にこくこくと頷くと、先生は箱を開けて僕の腕にそれを刺した。
何かが流れてくる感覚。
注射のせいか、もう限界なのか、だんだんと意識が薄くなる。
みんなが僕を呼ぶ声は意識のなくなる最後まで聞こえていた。
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