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彼の最終日
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ヒトミside
学校での一件の後、アズマは病院の集中治療室へと運ばれた。
本当ならこのまま薬で痛みをなくして見守っていくはずだったらしいけど、アズマが言った「まだ死にたくない」という言葉が病院を動かした。
アズマは、8日間戦った。
8日間の面会謝絶後、酸素マスクに体から管を垂らしながらアズマは戻ってきた。
「…!アズマ!!」
「はは…ただいま。」
もう囁くようにしかしゃべれないけど。
それでも、帰ってきた。
アズマが集中治療室から戻ってきたことを知って、いろんな人が見舞いに来た。
アラシや如月先生、シュウとリュウという人も。
クラスメイトや学校のヤツらからは、たくさんの手紙が届いた。
俺はそれを毎日アズマの横で読んだ。
アズマの体力は大幅に減って、囁くような喋り方でも少し話したら疲れるらしいし、激しい眠気がくるみたいでおきたりねたりを繰り返したりする。
それでも、俺らは幸せだったと思う。
俺が話して、アズマは笑って。
春にはピクニックにでも行くか、ちょっと遠出でもしていちゃいちゃしよう
夏は旅行に行こう、海まで行こう、バーベキューもしたいな。もちろん夏祭りも行こうぜ、俺実は射的上手いんだよ
秋にはハロウィンしよう、コスプレしても何してもアズマはかっこいいし綺麗だから
今年は過ぎちゃったな、クリスマス。だから次はでっかいターキーでも一緒に食べようぜ
アズマの誕生日にはとびっきりのサプライズしてやるよ、あ、今言ったら意味無いか、忘れて忘れて
なんて、そんな話ばっかして。
俺たちは大晦日を迎えた。
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