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どっち(徹)
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なんでだ。
なんでここに紫苑がいる?
都合がいいにも程があるんじゃねぇの?
俺が駿と付き合ってるからって
今までシカトし続けてきたくせに
俺から奪おうとしてんじゃねぇよ。
また駿を泣かせて、傷つけて。
許さねぇ。
駿を車に乗せ
俺は紫苑に言った。
「おい、紫苑。」
「なんだ。」
相変わらず無表情なんだな。こいつは。
愛想もなにもねぇ。
昔からそうだ。
まぁ事情があってこうなっちまったってのは知ってるけど。
「てめぇにだけは駿は渡さねぇ。今更、俺のところに来いなんて図々しいこと言ってんじゃねぇぞ。」
「今更と言われてもな。俺にも都合がある。」
「都合?…そんなあまっちょろい考えで駿を手に入れようとしてんじゃねぇ。ますますお前のことが嫌いになったわ。見損なった。」
「べつにお前には好かれたくはないが?」
「…!?」
どんだけうざいんだこいつは。
殺してやりてぇ。
「お前、駿がお前のためにどれだけ泣いたかわかってんのか。」
「知らんな。」
「……まぁもういい。話になんねぇ。とにかく、駿も言ってた通り もう二度と駿の前には現れんな。」
「それは無理だな。」
「これ以上駿を傷つけんな。お前の面なんざ俺も二度と見たくねぇ。じゃあな。」
「………。」
俺が守らなきゃ。
駿を。
これ以上駿を傷つけられちゃたまんねぇ。
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