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そして俺はここにいる。
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宣言通り、悟のヤローを迎えてやるために。
4日経って、朝からどこか浮かれ気味の友ちゃんに着いてスーパーに行った。
約一週間ぶりに帰ってくる奴の為に唐揚げを作るんだと嬉しそうに言う。
ほなら俺も一緒に食ってやる。あいつだけにそんないい思いさせてたまるかと、心ん中で密かに思った。
「諒~、唐揚げレモンかける?」
「え?俺はいらんけど」
「そ?ほならレモン一個でええな」
「あいつ、かけんの?」
「うん。さっぱりさせていっぱい食べるんやって、子供みたいやろ?」
ガキのくせに生意気な。今度目にレモン汁入れたろかな。
って、子供じみたこと思ってる俺のしょうもないヤキモチをよそに、
でもねー、鈴木さんに結局怒られんねん。
って笑いながらお会計をして家に向かった。
部屋に入ると途端に違和感。
そうや、前来た時より、その前来たときより、物が増えてんのや。
めちゃくちゃ増えてるわけとちゃう。
でも、確実に増えている奴の痕跡。
テーブルの上に置いてあるふたつのコースター。
一週間おらんかったはずやのに、ソファの背もたれに掛けられた、明らかに友ちゃんサイズではないスウェット。
キョロキョロと見渡してる俺に気づいて、友ちゃんがエアコンを入れた。
「俺、部屋着に着替えて来るから、お茶でも飲んでてや~」
語尾を緩く伸ばしてパタパタと扉の向こうに消えていった。
少しだけ手持ち無沙汰になった俺は、友ちゃんが言うように大人しくソファに座ってテレビを着けてお茶を啜ってた。ら、たまたまあいつのCMが流れた。
「けっ、かっこいーやないか、ムカつく」
それは認める。まさかこんな身近なとこから有名人が出るなんて思ってもなかったからな。
でもだからといって、友ちゃんを取られた事に対しては認めてなんてやらねー。
友ちゃんの気持ちがあいつに向いてる内は仕方なしで認めたふりはしといてやんねん。せやけど、それが無くなった瞬間、俺が貰う。
…たとえそんな日が来ないって、わかっててもな。
あー、なんて女々しい俺。
って、ソファに突っ伏した瞬間、ガチャと登場。
「なーなー、諒も部屋着なんか着る?楽やで?」
「……」
「悟のやと、大きいかなぁ?」
「………」
「俺の着る?それともそのまま、」
「友ちゃん、なんなんその可愛いヤツ」
「え、なにが?」
なにがやないで!
危うく鼻血出るかと思ったやん!!
いつもどちらかというと派手目な服を好む友ちゃんが、どこの女の子かと間違わんばかりに、薄いピンク色のモコモコした部屋着に包まれて登場。
ご丁寧にフードも着いて、モコモコのぶかぶか。
確かに寒がりの人やけど、完全に女の子が着る奴やん!
俺はマジでごくりと喉を鳴らした。ほんまにそれくらい恐ろしく可愛い。
「…それ、どこで買うたん?友ちゃん」
「え?この服?」
見下ろして人差し指で唇を差し宙を仰ぐ。
ヤバいヤバいヤバい!
「うーん、なんか悟がどっからか買うてきてん」
「だろうな」
「なんで?」
「いや、なんでもない」
こんな友ちゃんを見て、ぐふぐふ言うてる悟が容易に想像出来てめっちゃ腹が立った。
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