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なにがどうなってこうなった? 4
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悟に聞かれて、慌ててバッグに突っ込んだチケットを引っ張り出した。
これをくれた人物と行きたいわけじゃない、当たり前だそんなこと。
ただ、ちょっと、ちょっとだけ思ってしまったんだ。
悟とこういうとこに、行けたらいいのにな。
って。
だから、なんとなくそれをそのまま捨てることが出来なくて、バッグに入れっぱなしにしてたんだ。
そして何かの拍子に其処から出て来てしまってたんだ。
悟が手にした時、必要以上に慌ててしまった。
後ろめたい事なんてなにもないのに、自分の考えに妙な後ろめたさを感じてしまって。
悟が悪いやけやない、全部自分の勝手な考え、妄想でしかないのに、変に慌ててしまったから、逆に悟に変に思われてしまった。
話を切ろうとすればするほど不安を感じて、それは間違いなく悟にも伝わっていた。
「ごめん、悟…」
あのまま話を続けてたら自分がもっと酷いことを言ってしまいそうな気がして、半ば無理矢理話を終わらせてしまった。
卑怯な自分。
怒ってた、そして、傷ついた顔をしていた。
悟にあんな顔をさせたかったわけやないのに、あんな紙切れさっさと棄てておけばよかった。
後悔しか残らない。
学校から帰ったら悟の部屋に行こう。
今直ぐ行くには勇気が出ない。
いつになくヘタレた自分に更に嫌気がさすけど、落ち着いて、悟と話をして謝ろう。
ごめんって、不安にさせてごめん、ほんまに悟だけしか見えへんって。
一人で食べる朝食は全く美味しくない。
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