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かわいいひと 2 【終わり】
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なにか話したいんやろ?なんでも言うて?
きゅうと更に腕に力が込められたら、真っ暗な部屋に悟の声だけが響いた。
「今日、女のモデルの子たちと撮影やってん、」
「うん、昨日言うてたねぇ」
「シチュエーションがオフィスってなってて、僕スーツやってんけど、女の子達が何人かおってな」
「うん」
しがみついてるくせに、珍しくシャツの中に手も入れてこおへん(笑)
純粋にぴたりと身体を寄り添わせて相変わらず俺の項辺りに顔を埋めてる。
腰に回された手の上に手を重ねた。
「なんか、カメラ切ってる最中やのに、その子らが、僕に近づく度に、」
「たびに?」
もう一度俺の匂いを嗅ぐ。もー、どんだけ好きなん俺の匂い(笑)
「付き合お?私達お似合いだと思わない?美男美女でしょ?って、近づく度に言うてきてん。それも、何人もおるのに、全員、バラバラに、違うタイミングで…」
「…へえ」
あかん、笑いそう。
「僕もう…、なんやもう、怖くて。女の子ってこんなんやったっけ?!とか、仕事中やで?!とか、隙あらばぐいぐい体押し付けてくるし…もう、なんか」
「うん」
どんな顔してんの?
悟の手をにぎにぎしてた俺は体を反転させて悟の方を向いた。
風呂上がりのまんま入ってきたのか、まだ髪が濡れてる。見上げると、疲れた顔してた悟がふにゃりと微笑んだ。
「女の子ってなんなん、怖すぎ…。あー、友希に会いたかった~、こんな風にぎゅうってしたかった~安心するぅ」
「んふふ、そんなことあったんや」
「なんであんなみんな自分に自信満々なんやろ?自分が一番ってオーラ全開やもんな」
「でも、それくらいやないとモデルとかできひんのやない?大変な世界やろ?」
勿論、悟もね。
「友希…」
「ん?く、くるし」
キスされるかと思ったら、違った(笑)
今日はとことん甘えモードなのか背中に腕を回されて、ぎゅうと抱きしめられた。そして、そのまま耳元で囁かれる。
「女の子たちにもそんなん優しいなんて、ほんま、どんだけ優しいん。でも、」
「でも?」
「ちょっとヤキモチ」
可愛い。
ほんまに可愛いな悟。確かに女の子たちのことも言うたけど、ほんまは悟のことなんやけどね。
耳元で甘い声を聞いてたら今日は俺の方がなんか変な気持ちになってきた。
せやけど今日はこのままぬくぬくしよ。やってめちゃくちゃ可愛いんやもん。
「んふふ、可愛い」
「可愛いのはゆーき、僕ちゃう」
「はいはい」
ごそごそと体を捩って悟の腰に腕を回した。最近仕事が忙しいのか少し痩せてしまってる。言うと嫌がるから言わんけど。明日はご馳走作ったろ、なんか今日疲れてるしね。
「やわこい~いい匂い~…」
と言いながらおねむになってきた悟。そのまま寝息に変わっていった。
「おやすみぃ」
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