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ゆけむり物語 16
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「あれ?友ちゃんとこ、部屋風呂ついてんの?」
「うん、諒んとこはー?社長さんと泊まりやったらすんごい部屋に泊まってるんやろ?」
「いや、俺、あんまり広いとこ好きやないねん。めんどくさいやろ?せやから部屋には風呂着いてへんの」
「ふーん、そうなんやぁ」
どうでもいいし。社長と諒ちゃんとこの部屋とかどうでもいいし!
なんで男四人で机囲んでお茶啜らなあかんねん。ほんまに。机の上にあったお菓子を取って全部食べてやった。今回はこの二人をほいほい入れた友希も連帯責任やからね。友希のお茶菓子も食べてやる!
バクバク口に入れてると社長からすかさず頭を叩かれた。
「いたっ」
「お前、はめ外して食いすぎんなよ」
「・・・」
誰のせいやと思ってんねん。ふんっと顔をそらしたらそんな俺にはもう興味がないのか、そうや、と社長が呟いた。
「諒君、部屋風呂入らせてもらえば?せっかくこんないい風呂なんやし」
「は?」
「そーやんっ、諒、一緒入ろうや。俺らも今外から帰ってきて体冷えてんねん。ごはんまで時間あるからお風呂入ろーて言うてたとこやねん」
諒ちゃんにお茶のお代わりを淹れてあげてからぽんと手を叩いた。そしていつも僕が、したらあかんって言うてる首こてんを諒ちゃんに向けて、した。当然のように諒ちゃんは少し顔がにやけてから(僕がそう見えただけかもしらんけど)少し迷った顔をする。
そらそうやろ、諒ちゃんからしたら友希とのお風呂なんて地獄やで。
「え、どうしよ・・・」
「ええやん、ええやん。入らせてもらい。悟は俺の相手してくれるらしいから」
「えっ、そんなこと言うてへんしっ」
「三人は狭いやろ~、なぁ、友希君?」
「そうですよねぇ、悟。せっかくやし、諒お風呂入らせてあげてええよね?俺ら二人でぱぱっと入って来るから」
「えっえっ」
「・・・ほなら友ちゃん、入ろか」
「うんっ」
さっきから友希は上機嫌。修学旅行みたいで楽しいんやって。そら、諒ちゃんとはちっこい頃から一緒やから尚更楽しいのはわかる。わかるけど、そいつは狼なんやで!隙あらば友希を襲おうって思ってる狼なんやでっ!!
・・・・なんてこと言えるわけがない。やって、友希には悪気のかけらも無いんやもん。それに友希がこんな楽しそうにしてるのは、僕の本望でもあるわけやし。
うぐぐぐぐ。とか僕が葛藤している間に友希と諒ちゃんは連れ立って風呂に行ってしまった。
『わー、ほんますごいな』
『なー、露天風呂ともちゃうくてこれもええよねぇ』
『悟のくせに生意気やな』
『あはは、そう言わんといて』
なんてやり取りが響いて聞こえる。
机の上で拳を握っていると社長がにやにやしながら話しかけてきた。
「あー、ええなぁ」
「なにが」
「やって諒君と友希君やで?さぞかし可愛いんやろなぁって思って」
「なに言うてんの・・・」
「諒君って友希君に比べると男らしい顔立ちやけど、よう見ると可愛らしいんやで?可愛い子同士が風呂入ってるなんて、たまらんよな」
「・・・変態」
スマホを弄りながら僕を見る。ちょっとちょっと!
「覗いちゃう?」
「やめて!友希がおるんやで!」
「冗談やって、そこまで変態やないし俺やって」
あははと笑いながらぽいとスマホを投げた。そして徐にテレビのリモコンを弄り、チャンネルを変えだした。あんた何するかわかれへんから言うてんのや!
あーもう、助けて鈴木さん!
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