アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
〜side story〜 ②
-
「へぇ…。僕がいる前でそんなこと考えてたんですか」
「か、か、かおるさん。いや、ちが───」
「……先輩って動揺すると髪触りますよね」
ばか!俺のばか!
無意識だった。言われて確認すればガッシリ髪を掴んでいた。
「ぅあっ!……ぁっつ…。〜っ…」
無言が肯定したようなものだ。薫が更に攻め立てる。何で否定しなかったんだ!数秒前の自分を恨む。
声が出るのも無意識だった。我慢しようとしても無意味で。
「ま、待って、イっちゃう…っ。離して、っお願い…」
「へぇ、意外です。先輩、ヘンタイなんですね。年下にイジられてコーフンするなんて…」
「好きな子にこんなことされたら当たり前でしょっ!!」
大切にしたい。大事にしたい。優しくしたい。甘やかしたい。幸せにしたい。これ以上にないくらいに。
ずっと一緒にいて欲しい。好きって気持ちが日々大きくなってきてんだ。どんどん俺の中で薫の存在がデカくなっている、まるで比例していくような。……それが、怖い。
───人間の欲望って底が無いんだぜ?
昔そらが言っていた台詞を思い出す。
…ははっ、本当だね。
壊したい。閉じ込めたい。襲いたい。苦しめたい。ドス黒い感情が生まれてくる。2つの感情がぶつかり合うたび煩悩に負けそうになる。
こんな部分が俺の中にあるなんて知りたくなかった。夢中になればなるほど心が悲鳴を上げた。気付かないフリをしていれば良かったのかな。
…一目惚れだった。たくさん悩んで結局告白。俺が勝手に踏み込んで、薫をコッチの世界に連れ込んだのは紛れもない俺自身だ。
「……もう、ヤダ」
「…えっ?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
11 / 53