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そして相談しました
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ズズッと鼻を吸う。顔は大泣きしているせいで赤らんでいる、絶対。
「はづきちゃーん?そろそろ話してよぉー」
「……むり」
「葉月」
「………。…9割知ってるんでしょう?」
「じゃー、残りの1割話してちょーだい。はづきちゃんがどうしたいか」
「…別れるよ。…わかってるよ。薄々気づいてたの。何も感じなくなっちゃったんだ」
初めはやめてって心が叫んだ。嫉妬、苛立ち、嫌悪、妬み。決して良いと言える感情じゃないけど、それでも悲しいと感じていた。
‘いた’んだ。でも、どうだろう、ここ最近は。浮気を見るたび、…またか。そう思うだけで何も感じない。悲しいと、寂しいと感じない。
「ただ、見栄と意地とでズルズル今日まで引きずってさ。バカバカしいと思うよ、ホント…ッ」
「……うん」
「……でもっ、好きだった。あんな最低な人でも、好きだったんだっ。嘘じゃないっ!付き合えたとき、ホントに嬉しかったんだっ…」
偽りなんかじゃない。確かにそこに愛はあった。それだけは紛れもなく本物だったんだ…。
「…うん、知ってるよ」
“葉月はいつでも素直で一生懸命なこと、俺は知ってるよ。”
「…僕も、ワタルが優しくて、臆病者って知ってる」
「あははー、ひどいなー。も〜」
ポケットに入ってるスマホを取り出し、もともと打ってあった保存ボックスにある下書きした未送信メールを開く。
ただ一言、別れる。
宛先は彼氏、辰季の下に。
「それって、いつ作成したの」
「…もう1、2ヶ月前。ずっと開いてなかった。いい加減鳧をつけなきゃ。背中を押してくれたのはワタルだよ、ありがと」
「はづきちゃんが頑張ったからってゆーことにしちゃっていーんだよ?それぐらいのナルシーになんないとね」
「素直にどういたしましてって言ったらいいのに…」
「はいはい。ドーイタシマシテー」
「もぅっ!ワタルっ!」
「どー、どー。怒らないのぉ。…はづきちゃん、1ついい?」
「え、う、うん」
和やかな雰囲気から突然ワタルが真剣な顔になったのに少し恐怖を覚える。
な、なんだろ。やっぱり直接話して来いとかかな?それはイヤだなぁ…。
「別れたら陽介と付き合うん?」
………。
「なっ、なななななっ!なんっ!」
なんで知ってるのっ!
その言葉が出てこないぐらい焦った。ワタルは結局どこまで知っているんだ。
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