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〜side story〜 ③
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「陽介は優しいから、僕が1番欲しい言葉をくれるんだ」
わかってない。
「……ホントはね、僕が好きって言ったら陽介はいくらでも待ってくれること知ってた。だって陽介は優しいもん」
わかってないよ、葉月。
「甘やかしてくれることくらい知ってるよ。ズルいんだ。僕とは違う…。手が届かない。本当に太陽みたいだね」
ヘラリと笑う葉月を見て優越感に浸る。
馬鹿だなぁ。
依怙贔屓に気付いていたなら黙っていれば良かったのに。そうすれば相手は自分の事を大切な人と思い違いするのにさ。
そう、俺が葉月にしたように。
「言いたい事はわかったよ。でもね、葉月。1つ訂正させて?」
「ん?なに?」
自分の手をポンッと葉月の手に乗せる。離さないように少し強めに握った。
「俺はね、太陽みたいに1億キロ以上も離れてないよ。いつだって葉月の近くにいるじゃないか」
そのまま手を恋人繋ぎのように絡めた。指で手の甲を撫でればビクッとする。
(食べちゃいたいくらい可愛いなぁ…)
「そ、そうだけど…、そういう意味じゃ…」
「じゃあ、どういう意味?」
窓際の奥の席。この場所は人から見えない位置。今日は生憎の雨。外からもシャッターで見えない。
問い詰められてしどろもどろになっている葉月の手をそのままグイッと引っ張った。
「っ!?」
ガタンとなる机。ただ机が音を立てただけなのにその音はとても官能的なものに聞こえた。
「よう、す、け…?」
触れたのは一瞬。
「ほら、こんなに近い」
顔を真っ赤にして口元を手で隠す葉月はこんなにも可愛い。
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