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〜side story〜 ③
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「〜〜〜〜〜っ」
は、恥ずかしい。顔を見られないように先輩の肩にポスンと顔を預ける。
「ご、ごめんな、さい…」
「なんで謝るのかな?嬉しかったよ?」
「う、やぁ…、あの……」
喉の奥が熱い。ヒュッと何かがつっかえているようだ。
「ふふっ。じゃあ、仕返しとして夜に同じことしちゃおっかな」
「へっ?」
「ここにキスマーク」
右側の首筋を指で軽くトントンと押してきた。
「いやっ、ちょ、待って、先輩…っ。そこ見えちゃう…」
「うん。そうだね」
まるで他人ごとのように言葉を放した先輩の顔が首に近づいてくる。
「先輩…っ!まっ…て!」
オレは当然暴れた。
知らない人にまで見られたらオレの何かが終わる。
急に動き出したのは予想外だったみたいで。
「夜、少し落ち着いてっ。うわ…っ!」
「っ!?」
結果、オレが先輩を押し倒す形となった。
動揺したオレを先輩が見逃すはずなく。グイッと腕を引っ張られた瞬間、首元に柔らかいものがあたった。
「…ぁっ!?」
チウッと吸い上げられてから気づく。
先輩の唇はそのまま上に来て、目が合ったのを合図に深いキスが始まった。
そっと目を閉じれば余計に感じる。
甘くて、気持ちいい、大人の、キス。
「ねぇ、夜?…あの花って自分で適当に選んだの?」
「いいえ?ちょっとした相談事の時に友人がオレにピッタリだって言ってホットチョコレートのレシピと一緒に渡されました」
「ふ〜ん。その友人は華道部とかかな?」
「えっ!?あ、はい。そうです。先輩、すごいですね」
「なるほど、ね…」
真剣な顔で納得する先輩にオレは置いてけぼりだった。
「…うわっ!?」
再び腕を引っ張られ、移動した先は2人でも十分スペースのあるベット。優しく座らされ、頭の上にハテナがいっぱいあるオレに先輩は言った。
「寂しかった?ごめんね」
先輩。と口を開こうとしたら後頭部をガッチリ捕まれ逃げ場のないキスが繰り返される。
こうゆう先輩のキスは嫌いだ。辛い。胸がキュ〜ってなる。その後は弾け飛ぶように全身が熱くなる。だから嫌い。
快感を先輩は逃がしてくれない。逃がそうとしても次から次へと気持ちいいのが倍以上になってやって来る。
「──────っ」
まって、まって、先輩っ…。気持ちから、気持ちからっ!!
うっすら目を開ければ本能でギラギラした先輩の目が真っ先にあった。後から余裕のあるでもどこか余裕のなさそうな先輩の顔がみえた。
そんな目で見ないでください。そんな顔をしないでください。
身体中が更に熱くなった気がした。
「よる…っ?このままできる?」
「…こ、のじょーたい…で、お預け、です、か?」
激しいキスで息が乱れて言ったオレに先輩は目を見開いた。でもその後すぐにいつもの含み笑いを見せた。
「ふふふ。それじゃー、ご期待に添えて」
後から聞いた話、ムラサキ色のあの花の名はカタクリ。
─花言葉─
・初恋
・嫉妬
・寂しさに耐える
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