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好きになってもらいたい。
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告白をおっけーしてくれた孝介さんだけど、オレのことが別に好きなわけじゃないんだと思う。
長く付き合ってた彼女に振られたって聞いた時に、勢いで告白してしまっただけだから。
きっと向こうもなんとなくで答えたんだろうな…
だって付き合って一ヶ月たったのに、ほんとうに何もない。
関係は今までと変わらずじまいで、自分ばかりが意識しているみたいだ、恋人になったという実感はひとつもない。
ここに来ればほぼ毎日会えるし、こんな平和な街の交番はあってないような物だから、ずっと2人きりなんだけど、どうもそういう雰囲気にならない。
ここは思いきって、なんで付き合ってくれたのか聞いてみようか…
目の前で何か書類を書いてる孝介さんを、頬杖付きながら見つめる。
「孝介さん。」
「ん?」
孝介さんはこっちを見ない。
「なんでオレと付き合ってくれたの?」
「……なんで」
「だって、気になるよ」
「…ほっとけなかったから。」
「え?」
「喧嘩ばっかで、怪我してよくここに連れて来られてた時期からずっと、ほっとけないんだよ。お前は。」
あ、やっとこっち向いた。
「そ、そうなんだ…」
孝介さんの瞳が、オレを捕らえて離さないから、どこにも顔を向けられない。
変な緊張感みたいなのがあって、
妙に胸がドキドキした。
でもだからって、恋人的な展開が訪れるかと思いきや、そうでもない。
「そうだよ。」
とだけ言って孝介さんはまた何かを書いていた。
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