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みぃと公園【ほのぼの】
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チチッ……チュン……チッ……
鳥の声が耳に届いた。
ふわっと風が頬を撫ぜた。
あれ? 外……か?
頭に感じる人肌感。
……!
「ごめんっ!!」
俺は慌てて身体を起こす。
背中からくすくすと笑う瑞月の声が聞こえた。
「いいよ。別に……」
瑞月は、気にしていないというように言葉を放ち、ぐぐっと伸びをする。
「ごめん」
俺はベンチに座り直し、片手で顔を覆った。
せっかくの休みに。瑞月と居れる大切な時間……なのに。
「いいってば。疲れてたんでしょ?」
深夜までの仕事の連続で俺の身体は限界を迎えていた。
家に居たら、眠ってしまいそうで、散歩をしようと提案した。
「僕はゆきと居れれば……それでいい」
瑞月を見ると、俺と目が合い、照れたように笑む。
「散歩の続き、しましょうか」
俺は立ち上がり、瑞月の手を差し伸べる。
瑞月は嬉しそうに俺の手を取り立ち上り、にっこりと微笑んだ。
ザッ…ザッ…ザッ………
音の方に目を向けると、ランニング中の学生らしき人影が近づいてくるのが見えた。
すっと手を引き抜こうとする瑞月。
俺はその手をぐっと握りしめた。瑞月は困ったように俺を見る。
「平気……」
そのまま自分に引き寄せて、ぎゅっと瑞月を抱き込んだ。
俺の背中側を学生が走り抜けていく。
「ね?」
少し、腕を緩めて、瑞月を覗き込む。
瑞月は真っ赤な顔をして困ったように俺を見上げていた。
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