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改めて思うこと ゆきの場合【ほのぼの?】
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俺の頬に手を乗せて、すごく心配そうな顔をする瑞月。
「みぃ、そんな顔しないで?」
瑞月にそんな顔をさせてしまった自分が嫌だった。
俺の過去の過ちが、瑞月をこんな顔にさせた。
瑞月の悲しい顔を消したくて、俺はそっと、瑞月に口づける。
「みぃのおかげで、智樹に許してもらえた……ありがとう」
瑞月が居たから、瑞月の傍に居たいと思ったから、俺は過去と向き合えた。
「僕のおかげじゃない。ゆきがちゃんと向き合って、謝ったから」
瑞月がそっと俺の胸に手を置いた。
瑞月は俺を見てくれる。
無理に振り向かせる必要はない。
こんな欠陥品の俺でも、瑞月は一緒に居たいと縋ってくれる。
俺の欠けた心を瑞月が愛で満たしくれる。
良かった。瑞月に出会えて、良かった。
「ははっ」
思わず、笑いが漏れた。瑞月に出会えたことが嬉しくて。
瑞月は、きょとんと俺を見る、
「みぃに出会えて良かった……」
俺は瑞月を抱きしめた。
瑞月は、ははっと笑って俺を抱きしめ返す。
「ずっと、傍にいてね」
瑞月の口から言葉が漏れた。たぶん、意図しない、声。不意に漏れた、心。
「もう、逃げない……傍に、居ます」
逃げる必要は、ない。
瑞月はちゃんと俺を見てくれる。
どんな俺でも受け入れてくれる。
瑞月は許してくれる、愛してくれる。
やっぱり、君の代わりはどこにもいない。
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