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チュッて……何?『立花さんへのお礼編4』 【ほのぼの】
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また、立花が瑞月をからかった。
あれほど、瑞月にちょっかいを出すなと言ったのに、立花……。
俺は、一呼吸おいて、笑顔を作る。
瑞月が悪い訳じゃない。瑞月を怒っても仕方ない。
「明日来たら、消してもらいましょうね」
そう言って、瑞月の頭をくしゃっと撫ぜた。
瑞月は心配そうに俺を見ていた。
トーストとベーコンエッグ、コーヒーの昼食を取りながら、口を開く。
「でも、時間は決めないといけないですね……早い方がいいですよね」
「そうだね」
手についたパンの粉を軽く払い、スマホから立花にコールする。
『はいよ』
立花が出たところで、スピーカーにして、話を始めた。
「また、みぃにちょっかい出してくれたみたいだね?」
『なんもしてねぇよ。ちょっとチュッて……』
不機嫌な立花の声。
……チュッて?
俺の眉がぴくりと動く。
「あーっ。立花さん、明日、覚えてます? 何時に来ます?」
瑞月は慌てたように会話に入ってきた。
『何時って、そっちで決めていいけど?』
のんびり、間の抜けた声で立花は答える。
「じゃ、じゃぁ、お昼……12時でどうですか?」
瑞月は少し動揺を隠し切れないように、戸惑いながら、立花と話を進める。
『んー、いいよ。あ、狭山、いる?』
「なに?」
さっきの発言が気になり、無言で2人の話を聞いていた俺に、立花が電話の向こうから存在確認をする。
『絢乃も連れてっていい?』
「あぁ……いいけど……なんで?」
なんでわざわざ俺にそんなことを確認するのか不思議に思った。
『だって、オレ、お前らの愛の巣に単身で乗り込めるほど心臓強くねぇよ?』
瑞月は顔が、『愛の巣』に反応し、真っ赤に染まる。
電話の向こうで、立花がくすっと笑うのが聞こえる。
『いや、絢乃も狭山に会いたいって言うし』
「あ、うん。じゃ、明日12時ね」
『はいよ、じゃな』
立花との通話が切れる。
……チュッて……何?
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