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治まらない『立花さんへのお礼編7』 【真面目?】
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泣きだした瑞月を見て、心が痛んだ。
ふと、冷静な感情が顔を出す。
「わかってます……。みぃは、悪くない」
きっと立花が度を越した悪戯をした。
瑞月は俺を怒らせないために、それを黙ってた。なかったことにしようとした。
でも、俺はそこに土足で踏み込んだ。
立花に嫉妬し、瑞月の気遣いを踏みにじった。
立花が絡むと、冷静で居られなくなる。
俺は、瑞月を後ろから抱きすくめるように、座った。
泣いている瑞月の首元に顔を埋める。
「ごめんね、みぃ。わかってあげられなくて、ごめん」
追い詰めて、ごめんね。嫉妬深くて、ごめん。
「ごめん、なさい……でも、僕、ちゃんと、断った……浮気は、できないって、ちゃんと言った……」
絞り出すようなか細い声。
知らないふりをしていれば良かった。聞こえないふりをしていれば良かった。
「もう、いいよ。言わなくて、いい」
俺の言葉に促されるように、瑞月はさらに言葉を繋ぐ。
「ほっぺに……ほっぺにチュッてされたんだ……浮気……じゃないよね?」
泣き顔のまま、申し訳なさそうに、俺を見る。
俺はゆっくりと微笑んだ。
そんなことを浮気だと……俺に対する背徳感を感じている瑞月が、すごく可愛く思えた。
「みぃがした訳じゃないでしょ? そんなの浮気に入りません……」
俺は瑞月の濡れた頬にキスを落とす。
瑞月は安心したように、ふっと笑った。
明日、立花が来たら、一発、殴ってやる……。
俺の気持ちが治まらない……。
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