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狭山のみぃ『立花さんへのお礼編9』 【ほのぼの】
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リビングで、立花さんと絢乃さんをソファーに促し、僕はキッチンへ飲み物を取りに向かった。
「こいつ、瑞月のことになると見境なくなんだよ」
立花さんがソファーに腰を下ろしながら、くすっと笑った。
「立花が、みぃにちょっかいを出すからでしょ?」
イラついた幸也の声が聞こえる。
幸也は、立花さん達の前に腰を下ろす。
「だから、ちょっかいなんて出してないって……」
「た、立花さんっ! 梅酒でいいですか?」
また、幸也が掴みかかりそうで、僕は梅酒とビール、ウーロン茶を両手に抱えて、慌ててリビングへ向かう。
「お、梅酒、用意してくれたんだな」
そう言って、僕の頭へ伸びる手を幸也がパシッと撃ち落す。
「ってぇなぁ」
「触らないでください」
幸也は僕が運んできた飲み物をテーブルの上に置きながら、さらっと言葉を放つ。
「なんだよ、機嫌わりぃなぁ……」
「立花のせいで、しなくていいケンカさせられたからね」
無表情で黙々とピザの箱を開ける幸也は、本当に怖い……。
「オレのせいってなんだよ……オレ、なんもしてねぇよ?」
「殴られたい?」
にこりと立花さんに微笑む幸也。言葉と表情が反比例してる……。
「立花ぁ、とりあえず謝るべきじゃない?」
絢乃さんが口を開いた。
「はぁ? なんで? オレ、なんもしてねぇって」
「いや、100%なんかしてるよ」
立花の手癖の悪さはよく知っています、というように、絢乃さんが首を振り、言葉を繋ぐ。
「で、なにされたの?」
絢乃さんの視線が急に僕を捉える。
「……えっ?……、あ、えっと……」
絢乃さんが僕たちの関係をわかっているのかどうかがわからなくて、どう言っていいのか言葉に詰まる。
「狭山の『みぃ』はこのコでしょ?……あってるよね?」
絢乃さんは、立花さんに同意を求める視線を送る。
『狭山のみぃ』という言葉に僕は顔から火が出そうになる。
立花さんは、あってるよ、と何事もないようにさらりと返事をする。
絢乃さんは動揺する僕の顔を見て、あははっと笑う。
「可愛いなぁ……で?」
絢乃さんはにこにこしながら、促すように、先ほどの続きを僕に問う。
「ほっぺに…ほっぺに……チュッて……」
言いながら、僕の顔がさらに赤く染まる。
「ほらね」
「あんなのちょっかいのうちに入んないだろ?」
立花さんと絢乃さんが同時に声を発した。
したり顔で立花さんをみる絢乃さんに、立花さんは眉間に皺を寄せて、僕を見る。
急に、幸也が僕を隠すように胸に抱き込む。
えっ? ゆき?
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