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無神経『立花さんへのお礼編10』 【真面目】
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絢乃の言葉に照れ、自分の告白に真っ赤に染まる瑞月。
そんな可愛い瑞月を立花が見ていることに腹が立つ。
俺は、瑞月を自分の胸の中に抱き込んだ。
「それを世の中では『ちょっかい』っていうんだよ」
フラットに言葉を吐き、立花に蔑むような、軽蔑の視線を向ける。
本当に、立花の貞操観の低さには腹が立つ。
「……はいはい、すいませんでした」
呆れたような、諦めたような立花の謝罪。
絶対、反省してない……。
「ゆきっ」
急に、瑞月が俺の胸をぐっと押して、腕から逃れた。瑞月は、恥ずかしそうに困り顔で俺を見上げる。
「とりあえず、食っていい?」
俺と瑞月の姿をニヤニヤと眺めながら、立花が口を開く。
「あ、どうぞ。簡単で……すいません」
立花の声に、瑞月は俺から逃れ、申し訳なさそうに言う。
「いや、オレ、ピザ、結構好きだよ」
立花は、にやっと笑い、手を伸ばす。
俺は、ウーロン茶を注いで、絢乃に手渡した。
「ありがと。てかさ、本当、あんたは……また、刺されるよ?」
絢乃が、俺に礼を言い、立花に言葉を放つ。
「またって言うな。あの時の1回きりだろうが」
絢乃と立花の会話に視線を向ける瑞月は、不思議そうな顔をしている。
そう言えば、絢乃のこと、紹介すらしていなかった。
「みぃ」
瑞月は俺の声に顔を向ける。
「絢乃……立花の奥さん」
瑞月は一瞬、驚きの表情を見せ、瞳を泳がせた後に俯き、ぎゅっと下唇を噛みしめた。
瑞月の仕草に、立花がなぜ絢乃を連れてきていいかと聞いたのかを悟った……。
瑞月が心配だったんだ……。
仮にも瑞月は、立花と関係がある。そこに本妻である、絢乃を連れてくることを少し躊躇ったんだ。
俺はなんて無神経なことをしてしまったのだろう……言って、しまったのだろう……。
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