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追い詰めちゃった『立花さんへのお礼編12』 【真面目】
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やっぱり、来ない方が良かったかな……。
ちょっと反省。
きっと、狭山の恋人は一途な可愛いコなんだろうなと思っていた。
狭山の……冷徹な男の恋人を見てみたかった。
会ったとき、なんとなく、きっと、立花のことが好きだったんだろうな、と思った。
だって、立花がちょっかいを出すぐらいだから。
追い詰めちゃったなぁ。
あたし的には全然平気なんだけど。
ってか、立花の身体になんて全くもって興味ない訳だし。
あたしも別の彼女いるし。
「ごめんね、瑞月くんに意地悪しようと思ってきたわけじゃないんだけど……」
瑞月くんはあたしの腕の中で一生懸命に首を横に振った。そして、ごめんなさいと呟き続ける。
「立花と結婚したのは、親のため。安心させたかったの。あたし、足、悪くしちゃったから……立花が女とトラブって、あたしがとばっちり受けて刺されちゃって……だから、立花に責任とってもらったの」
立花を見ると、責任とか言うなって顔をしていた。
立花があたしのこと、心配してくれているの……大事にしてくれてるの知ってるよ。
あんたは優しいもんね。
あたしが同性愛者だってわかったときも、軽蔑するわけでも、擁護するわけでもなく、絢乃はそのままでいいんだよって、あたしを認めてくれた。
あたしだって、立花のこと好きだよ。男の中では、ね。
立花のことを考えていたら、思わず、口からふふっと笑いが漏れた。
「ごめんね、瑞月くん」
少し落ち着いた瑞月くんの頭を優しく撫ぜた。
「ごめんなさい、僕の方こそ、ごめんなさい」
涙声で謝る瑞月くん。
たぶん、このままじゃ、瑞月くんとあたしのごめんなさいのループになっちゃうな……。
あたしはそっと身体を離して、狭山に瑞月くんを預ける。
狭山は、瑞月くんを黙って抱きしめる。慰めるように、大きな手で優しく瑞月くんの頭を撫ぜる。
まるで、壊れ物を扱うみたいに、優しく大切に胸に抱える……。
愛されてるね……瑞月くん。
きっと、立花なんかに恋をするより、狭山の傍にいた方が君は幸せだよ。
狭山も君の傍なら人間らしくいられるんじゃないかな。
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