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面倒くさい『ゆきの誕生日編7』 【真面目?】
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瑞月と絢乃と3人で出かけているはずだった。
瀬良が彼氏と揉めたとか言いだし、泣きながら電話をかけてきた。行ってみれば、無事に解決しましたぁ、とケロッとした顔でオレを追い帰しやがった。
あぁ、腹立つなぁ……。
ブー……ブー……
イライラしながら帰路につく。ジーンズのポケットでスマホが震えた。
画面には狭山の名前。
「はぁ? なに?」
イラついたまま、声を出す。
『…そのままそっくりお前に返すよ』
ははっと乾いた笑いと共に、呆れたような、いつもの口調で狭山は言葉を返した。
「何がだよ」
『……絢乃、一緒に居る?』
少しの空白の後、様子を探るような、少し落ちた声で狭山は呟いた。
「いねぇよ。今日は瑞月と一緒にいるんじゃねぇの?」
『……』
狭山の声が途絶えた。
「何だよ? 別にいいだろ?」
オレと一緒に居るよりよっぽど健全だと思うけどな。お互い恋愛感情になんて発展しえっこねぇし……。
『……』
狭山は、無言のまま、言葉を口にしない。
あーっ。面倒くさい。
イラついているときに、コイツの嫉妬になんて付き合ってらんねぇっ。
「男のお前より女の方が良くなったんじゃねぇの? ……な」
んちゃって……。
言葉を口にする前に、スマホからはプーップーッという無機質な機械音が聞こえていた。
これは……ヤバい?
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