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緊急事態『ゆきの誕生日編8』 【真面目?】
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これは、ヤバい。
完全に狭山の地雷を踏んだな……。
嫌な汗が背中を伝う。
オレは、折り返しで狭山に何度もコールするも、一向に電話は繋がらない。無機質な呼び出し音が耳に届くだけだった。
また、狭山が居なくなったら、オレ、瑞月に刺されんじゃねっ?!
あぁーっ。なんて面倒くさいんだよ、アイツはっ。
苛々と焦りが混同する。
オレは気持ちを落ち着かせるように、コンビニの灰皿の前で、タバコに火をつけた。
徐々に落ち着きを取り戻したオレの心に、反省の念がほんのりと浮上する。
はぁ。やらかしたなぁ…。
少し、瑞月をからかうつもりで、要件も言わずに呼び出した。きっと、瑞月は狭山にオレと出かけるとは言っていない。
そこに、絢乃と一緒に居る瑞月を見かけて、オレには『女の方が良くなった』なんて言われたら……。
オレは、思わず、片手で顔を覆った。
あぁ、やべぇ。絶対、誤解してる……。
でも、このままってわけにもいかねぇよなぁ。
オレは、絢乃の番号にコールする。
『はぁい。野暮用、終わった?』
何も知らない能天気な絢乃の声が耳に届く。
「すまん、やらかした……」
『はぁ? 意味不明。いま、瑞月くん、家に居るから、とりあえず帰ってきて』
じゃぁね、と通話は切れる。
なんでオレの周りはこんなに自分勝手に電話を切るヤツばっかりなんだよ……。
どうでもいいことに、ため息が漏れた。
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