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本命チョコ『バレンタイン編1』 【ほのぼの】
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バレンタインデー……女性が男性に愛の告白をする日。チョコレートと共に。
去年、幸也の鞄には、6つのチョコレート。
あの容姿に、あの和らな物腰……モテるのは、わかる。
そう、僕は、妬いたりなんてしない。
………しない、………してない、…したくないっ。
だってさ、あったんだよ。1つだけ。
これ、100%本命チョコだよね?っていうのが。
思わず、ゴミ箱に放り投げそうになったけど、ぐっと我慢した。見ないふりをした。
でも、ちゃんと僕の脳裏には、その色や形が焼き付いてしまっている。
透明の箱に黄色とオレンジの細長く切られた紙が敷き詰められ、赤い小さな紙カップが6個。紙カップの中にはココアパウダーやチョコスプレーで彩られたトリュフチョコ。外側を赤いリボンが飾っていた。
もう、完全に手作り。おまけにカードまで挟まっていた。半分に折られたカードの表には、可愛らしい字で『狭山さんへ』なんて書かれていた。
幸也は、家で仕事をしながら、次々にそのチョコを口に放った。
みぃも食べる? なんて平然と僕に聞いてきた。
僕は、手作りは嫌いって断ったら、幸也は、きょとんとした顔をしていた。
あ、思い出しただけでイライラしてきた。
だから、決めた。今年は僕も手作りチョコを幸也へ送る。
……でも、この時季にどうやって材料を仕入れよう。
きっと製菓のコーナーとか特設コーナーとか女のコしかいない、よね……。
そこに入っていくのって結構、勇気がいる……な。
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