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妬いちゃった?『バレンタイン編3』 【ほのぼの】
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今年のバレンタインデーは土曜日。
今日、12日の木曜日から幸也は出張に出ていて、14日まで帰って来ない。
僕は会社帰りに、絢乃さんとの待ち合わせ場所へと足を向けた。
今回はちゃんと、絢乃さんと買い物に行くことを幸也に伝えた。
以前のように、誤解させたくないから…何を買うのかまでは言ってないけど。
絢乃さんは既に待ち合わせ場所に来ていた。
「お待たせしました」
僕が声をかけると、絢乃さんは、にこりと笑む。
絢乃さんには、立花さんへのチョコを買うなら僕も一緒に行きたいと伝えてもらった。
「お誘い、ありがとう。誘われなかったら、買わなかったわ」
絢乃さんはあははっと声を立てて笑う。
「いつも買わないんですか?」
問いかけに絢乃さんは、少し、きょとんとした瞳を僕に向けた。
「私からなんて、いらないでしょ。毎年、腐るほど持って帰ってくるし」
「……嫌じゃないんですか?」
眉間に皺を寄せて問う僕に、絢乃さんは、くすくすと笑う。
「だって、立花に興味ないもん。……瑞月くんは嫌だったんだ?」
さらっと興味がないと言い放ち、にたりと笑んで僕を見る。
心を見透かされた気がして、僕は、うっと声を詰まらせ、絢乃さんから視線を逃がす。
言葉を促すように絢乃さんは、僕の視界にひょこっと顔を入れ、にこっと笑む。
僕は渋々、口を開く。
「去年…幸也の鞄に6個、チョコが入ってたんですけど……1個が、あからさまな本命の手作りチョコで……」
「妬いちゃった?」
絢乃さんは、にやっと笑った。僕は、不服げな表情を浮かべる。
「……本命チョコの彼女に、負けたく…ないんです」
ぼそぼそと呟いた言葉に、絢乃さんは、僕の頭をわしゃわしゃと撫ぜた。
「相変わらず、可愛いなぁ」
僕の拗ねたような表情に、絢乃さんは、くすくすと笑った。
「さて……」
ひとしきり僕の頭を撫ぜると絢乃さんは周りを見渡した。
「どんなのがいいの?」
「あ、えっと……手作り、で…」
上目づかいで様子を窺う僕に絢乃さんは、笑顔で了承の意を示す。
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