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君の嫉妬心『バレンタイン編11(完結)』 【真面目/ほのぼの】
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確かに、少し、分離している感じがあり、口どけが白色のチョコにくらべると若干劣る……でも。
「みぃ。俺は、瑞月の作ってくれたチョコの方が好きです。愛情を感じます」
愛のない絢乃のチョコなんかより愛のある瑞月のチョコの方がおいしいに、決まっている。
俺は、にこりと笑んで見せる。瑞月は未だに、困ったように眉尻を下げ、俺を見つめていた。
「本当に、ごめん。僕、やっぱり料理はダメみたい……」
はぁっと、ため息を吐く瑞月。
「知ってますよ。苦手な料理を俺のために頑張ってくれたんですよね? 俺は、それが嬉しいんです。幸せ、なんですよ」
ははっと笑う俺に、瑞月は釣られるように困りながらも笑みを浮かべた。
君が愛情を込めて作ったチョコは、口の中でゆっくりと時間をかけて溶け、俺の中を愛で満たす。
少しゆっくり溶けるぐらいの方が、君の愛情を長く感じていられる。
君の努力が、挑戦が、俺に愛されているんだという幸福感を与えてくれる。
瑞月の嫉妬心を焚き付けてくれた野々に感謝したい気分だ。
瑞月の嫉妬心は、俺に幸福感を与える。
瑞月。俺は君のすべてを、愛してる。
嫉妬心すら、愛おしい…。
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