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新しい朝と新しい毎日の幕開け
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目が覚めたら朝だった。
ぱち、っと目が覚めるのは結構珍しい。
いつもぼけっとしばらくぼんやりしないと始動しない俺の頭、今日はどうした。
……いや、どうしたじゃねぇぇ!
そうだったそうだった!風呂上がりに部屋でテンに俺は!
は、半分以上、流されてたんじゃないだろうか。
お、俺は…っ!俺って…っ!
その上しっかりと身体にテンの腕が巻きつけられていて身動きも取れねぇし!
押しのけようとして身体を動かしたらトンデモナイところからトンデモナイ痛みが身体を突き抜けた。
い、い、い、
「いってぇ―――――っ!」
「うわ、あ、おはようハニー」
「は、はにー!?ふざけんな、ダーリンとでもいってもらえると思ったか!?」
「言ってよそこは」
「言えるか!テン、てめ、くそっ」
「あ、腰、痛い?大丈夫?」
「大丈夫じゃねぇよ!」
ああ、キンがうずくまってた姿がくっきりはっきり脳裏に蘇る。
あいつ、ほんとに大変だったんだな。もっと労わってやればよかった。
「ほら、お茶だよ。落ち着くよ」
「てめーのせいで落ち着いてねぇンだよ!…ん、黒豆麦茶うま…」
「良かった良かった」
良くはねーよ。
お茶がアツアツなのは有難いけどいつの間にアツアツになったんだろう。
「愛の力?」
「いやないだろ、それは」
「神の力?」
「むしろ最初からそう言え」
ぎゃいぎゃい言いながらお茶を飲んで、腰をかばいつつ着替える。
相変わらずひっつき虫なテンに貼り付かれながら居間に行くと親父がにこやかに朝食を並べてた。
…赤飯…朝から…?
「おはよう、輝くん、テンちゃん。そろそろご飯だって呼ぼうとしてたとこだよ」
「おはよーまぁちゃん。すごいね、朝からごちそう!」
「ふふ、めでたい朝だからね。孫の顔はいつ見れるのかなぁ」
「えー、そのうちね。そんなこと聞いちゃだめだよー」
「ははは」
おかしいだろその会話。
どうなってんのその会話。
というか、昨日の…ぎゃーーっ!
「輝くん、顔が赤くなったり白くなったり青くなったり忙しいねえ」
「輝くん、大丈夫大丈夫、ちゃんと輝くんのイイ声は聞こえないようにぼうお…いたぁ!」
今言うんじゃねぇ!
いたしました、と言ってるようなもんだろ!
実の親に向かって何してくれてんの!
「そう言われると、でも、まぁちゃんも輝くんも良く考えたら僕のひいひい…孫…」
やめーーーーー!
うあ、それ知りたくなかった気付きたくなかった!
「あははホントだねー。ま、いいんじゃん?」
親父何それ!いいのかよ!
合宿中の風紀みたいな態度どこ行った!?
「はい、黒豆麦茶。輝くん落ち着いて」
「おお、さすが旦那さん!」
「ぶふぅっ」
これからこんな毎日が始まるのか。
俺、もつのかな精神的に。
朝から心身共に「きっついことこの上ない」状態に追いつめられながら少しばかり遠い思考になっていくのは十分許されると思う。
あー。
熱い黒豆麦茶うめぇ。
エンド☆
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