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願う冬 2
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「憂いを帯びた横顔がそそられる」
「は?」
「柔和な笑顔にいやされる」
「はい?」
「唇を触る仕草がエロい」
「え、なに言って…」
「さり気なく助けてくれるところにキュンとくる」
「ま、衛?」
つらつらと何を述べているのか分からずに首を傾げていると、またしてもため息をついた衛はズズっとカフェオレを飲みそしてふふっと笑う。
「ぜーんぶ遥のこと」
「んん?」
「今言ったの。最近の遥に対する周りの意見です」
「…………え?」
何言ってんの?
カップを持ったまま固まる俺。そんな俺を見て衛は呆れたように笑った。
「男にも女にも両方から見られてるよー、遙。知んないの?」
ぶんぶんと首を横に振ると衛はぐるっと周囲を見渡し、視線だけで誰かを捉える。
「あそこにいる奴、この前遥を紹介してって頼んできた。それに入口にいる女の子にも同じこと頼まれたよ」
口をポカンと開けたままの俺に衛はふっと優しくと笑って。
「まぁ遥が応えることはないから僕から断ったけどね」
「……うん。ありがと」
「いーえーどういたしまして。ど?最近は」
「うん…幸せだよ」
「…そう。なら、いいんだ」
時折衛は、なんとも言い難い表情を浮かべて近況を聞いてくる。
きっと、心配をかけてる。
だけどいつも最後は、幸せならいい、そう言って笑う。
いつでも頼っていいから。
衛の浮かべる笑顔はそう言ってくれてるかのようで、友達に恵まれてるな、とそう強く感じた。
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