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変な目
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そこに俊也先生が来ました。
「なんで後ろのドアに鍵かけたんだ?」
と先生が聞いたら、
「すいません! 何でもないです」
と言って、二人の子は、逃げていきました。
僕は、ずっと怖いのを我慢していたけど、しくしく泣き出してしまいました。
「あの二人に何か言われたのか?」
と聞かれました。
「先生、ホモって何?」
と僕は、聞きました。
「そんなこと言われたのか?」
僕は、うなずきました。
「ホモって、変な人のこと?」
「ええと、同性が好きな人のことだよ。あれ? 勝平、前、黒岩先生に職員室で、質問してたじゃないか。それで叱られて、運動場5周って。あれは、意味わからないで聞いてたの?」
と言いました。
「どーせーって?」
「同じ性別のこと」
「同じ性別? 僕が男が好きってこと?」
「そういう意味だね」
「うわああん」
僕は、そんなことを言われたんだと初めてわかって、恥ずかしくて、悲しくなりました。言葉の意味は、辞書をひけばわかるけど、そういうことじゃなくて、A君とB君が、僕を変な目で見てるとわかったからです。
そして、いっぱい泣きました。鼻水が出たので、先生が、ティッシュをくれました。
「僕、ホモなの?」
と先生に聞きました。
「どうして、そう思うの? さっきの子たちに、言われたから?」
「わからないけど」
「好きな男子がいるとか?」
「克樹君が好きです」
「それは、友達だから好きってことだろう?」
「そう……でしょうか?」
俊也先生の前では、穴に入れあいたいとか結婚したいとかは、言えません。
「じゃあ、ホモじゃないよ」
「じゃあ、どういうのがホモなの? チューしたいとか?」
「そうかもね」
「じゃあ、さっきの子の方がホモなのか」
「え?」
「あ、今のは秘密です。言っちゃダメって言われたから」
「わかった。聞かなかったことにするね。でも、チューしたいって言われて、大丈夫だった?」
「怖かった」
「それで、泣いちゃったのか」
「うん」
でも、友達だから好きなのか、よくわからないです。
それと、俊也先生が好きって前に言ったことは、先生だから好きって意味に思ってると思いました。
僕は、克樹君と俊也先生が好きなだけで、男が全員好きなわけじゃありません。
克樹君も、そうだと思います。
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