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仁科先輩と亜綱 7
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「よかった、解決しそうだね」
僕が、ホッとして言うと、仁科先輩が心配そうに、
「だといいけど」
と言った。
放課後、職員室前が、ガヤガヤしていたので、克樹君と行ってみると、俊也先生が校長室に入っていくところだった。
亜綱と、亜綱の子分たちも入って行った。
仁科先輩も職員室前に来ていた。
「仁科先輩、俊也先生と話せた?」
「話せなかった。先生に謝りたいのに」
仁科先輩が、しくしく泣き出した。
「ええっ、先輩泣いちゃうの?」
僕は、びっくりした。
克樹君が、仁科先輩のことを、よしよしってして、抱きしめて頭なでなでしてあげたので、僕はぼーっとして二人を見ていた。
「克樹君と仁科先輩のが似合うみたい」
と僕が言うと、
「えっ、そんなんじゃないよ」
と克樹君は、あわてて仁科先輩から手を離した。
「生徒会室の前でだってさ、あんなに長くキスしちゃってさ」
「んー、あれは、ちょっとヤバかったなー」
「ヤバかったって?」
「ごめん、勝平君、僕が悪いんだ」
仁科先輩に謝られた。
「克樹君のことはいいけど、僕、俊也先生のことは、ショックだった」
「あ……そのことも。ごめんなさい、勝平君。勝平君も、俊也先生のこと好きなのに」
「僕が俊也先生のこと好きとかでなくても、あれはちょっと……」
「うん、わかってる。亜綱に毎日、無理やりされてて、もう精神状態がおかしくなってたんだ」
「仁科先輩って、亜綱のこと嫌いなんでしょ?」
「家が近所で、昔は、仲良かったんだ。亜綱が不良になる前は、仲良かった。亜綱の両親が何かあったみたいで、そこから亜綱がグレて」
「そんなの仁科先輩に関係ないじゃないですか」
克樹がさえぎった。
「そうですよ。仁科先輩が亜綱にやられっぱなしなんて、我慢できません!」
と僕も言った。
「うん、でも、亜綱がかわいそうで」
仁科先輩が、涙を手の甲でこすって言った。
「かわいそうなのは、仁科先輩じゃないですか!」
僕は憤慨した。
「仁科先輩を救う会、結成」
僕が言った。
「いいよ、もう解決するから」
「そうなの?」
「うん、亜綱も謝ってくれたし。で、変な場面見せちゃってごめん。俊也先生にひどいことした」
「それは、俊也先生に言ってくださいよ」
と僕たちがこそこそ話していると、校長室から、亜綱と子分たちが出てきた。
仁科先輩が亜綱に近寄った。
「亜綱、どうだった?」
「あ、仁科、俊也先生に謝ったよ」
亜綱の子分たちは、おいおい泣いていた。
亜綱も、赤い目をしていた。
「どうしたんですか?」
僕は、泣いている子分の三年を見て、亜綱に聞いた。
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