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49、残滓
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手を繋いで、ゆっくりと歩く帰り道。ほんとは人目をはばかって歩くとべきなんだと思う。けど、手を繋いでいるくらい許されると思った。何よりも、恭に自信をつけさせたかった。
俺達が一緒にいることはおかしくないんだって。俺は恭となら何処にでも行けるんだ。って傍にいていいんだって。
そんな時に最悪なヤツに会ってしまった。
「あ、お前なんで芦田さんと一緒にいんだよっ。芦田さんもなんでこんなのと一緒にいるのか分かりませんけど、離れたほうがいいですよ。コイツすっごくキモいヤツなんで」
すっげぇ腹が立った。コイツは恭の何を知ってるっていうんだ。クリクリとした目の茶髪のチビのボクちゃんが。
「話はみさきさんからちゃんと聞いてます。コイツずっと、芦田さんのこと見つめてて、嫌ですよね?だからみさきに頼んでコイツのこと遠ざけてたんですよね?」
ああ、コイツもみさき並みにバカなんだ。
俺はもう怒りのこもったドスの効いた声しか出なかった。
「お前クラスは?」
「D組です。ずっと芦田さんに憧れてました!」
「そうか、二度と俺の前にツラみせんな」
それだけ言って恭の手を引いてその場を離れた。
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