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歩く 3
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「そんな嘘言ったとして、何が楽しいんだよ」
潤が、うんざりしたように言った。
「僕が興奮すると思って言ってるんでしょ?」
「瑤は、平和だな。ま、いいか。これから、俺に犯されるんだし」
潤が物騒なことを言った。
「潤は、そんなことしないよ」
「あっ、そう」
潤は、鼻で笑った。
「僕も一年の時のミスコン、無理やり出場させられたけど、別に、後で上級生に犯されるだなんて、そんなひどい目にあわなかったよ?」
僕は、少し不安になりながら言った。
「え、瑤も出てたのか?」
「うん、僕、3位だった」
「あれ? じゃあ表彰式の時、いたってことか。なんか俺、全然覚えてないんだよな」
「うん、いた。でも、全校生徒に注目されて恥ずかしかったから、僕も、全く、周り見る余裕なんてなくて、潤の姿、よく見られなかったんだ。僕が、他の出場者の人に見惚れてたら、おかしいかなって思って」
「あれって、無理やりじゃなくて、自分からすすんで出るやつっているの?」
「潤とか」
「違うよ」
「ナルシストな人とか。女装好きの人とか」
「俺が、そうだと思ったってこと? 心外だな」
「だって潤って、ナルシストじゃない?」
僕は、洋講堂での潤を思い出して、言った。
「喫茶室の鏡の前で、『自分の姿に恋してるなんて、自分で自分を異常だと思う』って、うっとり言ってたじゃないか」
潤は、苦笑した。
「それはそうと、瑤が優勝じゃないのは、おかしいな」
「うん、僕もそう思う」
「俺は謙遜で言ったんだけど、なんだよ、瑤のがナルシストじゃないか」
潤が、あきれたように言った。謙遜なら、結局、潤はナルシストってことか、と思った。
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