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森へ
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森の入り口に佇んで、時空を超えて交歓していた僕らは、現実に舞い戻ってきた。
正確には、僕は高揚したままで、潤は、ぼんやりしたままだった。
少なくとも僕は、潤の過去から、自分の現在に戻ってきていた。
けれど、肝心の潤は、過去に行ったまま、戻ってきていなかったのかもしれない。
「行ってみる? 森の奥に」
潤は、僕を誘った。
街灯があかあかと照らす路上と違って、森は不気味に暗く、怖ろしかった。
「行くよ」
僕は、潤と、どこまでも行くつもりだった。
僕らは、もともと臆病に愛を探り合っていたと思う。
秘密を分かち合ったことに興奮と勇気と連帯感を得て、僕らは、手をつないで、暗い森へと踏み込んだのだった。
僕は、森へ導かれると、立木の前で、ベルトを外された。
「何をするの?」
「俺がされたのと同じことをしたい」
潤は、どうやら、かつてされたのと同じことを、僕にしてみたいらしかった。
僕は、子どもではないし、友達同士なのだから、途中でストップをかけられるだろうと思った。
「わかった。自分で脱ぐよ」
僕は、極度に高揚し、興奮していたので、通常時では考えられない行動を平気でしたのだと思う。
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