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警察
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「だから、話したじゃないか。知らない人に写真撮られた話じゃなくて」
「あ、兄さんたちに、されたって話しの方?」
「そう」
「あ、そうか、僕、混乱してた」
「でも、知らない人に写真撮られた話も、譲に関係しているんだ。そういう意味では、あながち、瑤の推測も間違いとは言えない」
潤は、僕を慰めるように言った。
「譲に、『礼拝堂の裏で知らない人に写真撮られた』って言ったら、『警察に言うから、どういうことされたか、実際にその場所に言って説明してみて』って言われて、譲に説明しているうちに、二人とも興奮してしまって、ああいうことをするようになってしまったんだ」
「警察には、言わなかったんだ?」
「ううん。言ったよ。でも、被害届けは出さなかった。出さなかったというより、受理されなかった」
「どういうこと?」
「素人が行っても、相手にされない感じだった。親と来いって言われたけど、親には、言いたくなかったから、譲と言ったんだけど」
「素人というか、子どもだから?」
「もう、この話、したくない」
「ごめん、いろいろ聞いてしまって」
「うん。話せるようになれればいいんだけど、話すのつらいから」
「そうだよね、ごめんね。手を握ってもいい?」
潤は、一瞬びくっとしたけれど、すぐに、ほっとしたように、差し出した僕の手を握り返してきた。
「ありがとう」
「潤って、手をつなぐの好きだよね」
「そうかな」
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