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噴水
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門をくぐると、前庭があり、ちょろちょろという微かに水の流れる音が聞こえてきた。
潤の後について、通路を進んでみると、左脇に、乳白色の大理石でできた、小さな噴水があった。
噴水というより、水飲み場とか、水盤と言った方が適切かもしれなかった。
上向きの噴水口から、ちょろちょろと水が出て盤に水が溜まり、その水は、盤を溢れて、絹糸のようにきらめき、下の池に流れ落ちていた。
水盤を支える脚の部分には、葡萄の蔓が彫られていて、その曲線に沿って、水は流れ落ちていたのだった。
噴水は、刈り込まれた、葉の細かな、ときわ樹に周囲を囲まれていた。
僕は、
「あっ」
と言って立ち止まった。
「どうしたの?」
潤が振り返り、戻ってきた。
僕が噴水口を見つめているのに気づいて、潤が、ふっと笑った。
「何を想像しているの?」
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