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擦り傷
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僕らは、心のひりひりする擦り傷をくるむ包帯のように、互いに相手を包み、バスタオルにくるまれていた。
潤のキスは、切り傷に効く、優しい軟膏のようだった。
粘膜への湿った温かな刺激が、血濡れた傷口を想起させた。
ぴちゃぴちゃと舌が音を立てると、潤が傷口を舐める美しい獣のように見えて、また官能の渦に引き込まれそうだった。
「潤、やめとこう?」
僕は、かろうじて気持ちをセーブして、潤の胸を手で押しやって言った。
「あ、ごめん」
と言いながら、潤は僕の頬を舐めた。頬でよかったと思っていると、より感じる首筋を舐めてきた。
「潤ったら、もう」
僕は、バスタオルを外して逃れた。
僕は、さっきの厚手のバスローブをつかみ、まとって腰紐を結んでガードしてしまった。
潤は、しばらくすねて、一人でバスタオルにくるまっていたが、あきらめたらしく、薄手のくたっとして柔らかそうな麻の薄水色のローブを着た。
僕はタオルでできたふかふかの室内履きを、潤はローブとお揃いの水色の室内履きを履いて、脛を出してぶらぶらと、不良息子たちのように、夜遅いダイニングに行った。
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