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スポイル?
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潤は、自分の存在を、望まれないもの、と思っているのかな、と思った。
だから、
「三人も四人も同じじゃない? 本当にほしかったら、がんばって、つくるんじゃないの? 親の言うことなんて、けっこういい加減だよ?」
と言ってあげておいた。
「それにさ、実際、潤のこと、可愛いくてしょうがないって感じに見えるよ?」
「よせよ」
潤は、顔を赤らめた。
「小さいから、子どもだから可愛いがってるだけだよ。俺は、今のところ、あまり男っぽくないし。成長を止められて、甘やかされて、スポイルされてるんだよ」
「ふうん。潤が、週末だけ帰ってくるから、歓待してるんじゃないの? 」
「まあね。離れて暮らしてるから、まだ、ましだよね」
「うん、離れて暮らしてるって、偉いよな」
「え、別に一人暮らしじゃないし、家事やってるわけでもないし、全然偉くないよ?」
「ふうん。ここから学校って通えなくもないのに、わざわざマンションに住んでいるんだね。これくらいの距離なら、通ってる人、すごく多いと思うけど」
「俺、朝弱いし」
「あ、そうか。いつも、ぎりぎりだもんね」
「うん」
潤は、飲み終わったティーカップを、愛でるように、持って、撫でていた。
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