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悲しみ
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「ごめんね? 潤」
僕は、立ち上がって、潤の傍らに立ち、潤の呆然とした顔を除き込んだ。
潤は、答えず、じっと動かないので、僕は困って、
「潤、新聞紙か何かある? ここ、危ないから、掃除機で」
と言うと、潤が
「そのカップ、気に入っていたのに」
と言って、女の子のように泣き出した。
「潤……そうだよね。潤が、好きで自分で買ったって言ってたよね……それなのに、ごめん……」
僕まで、悲しくて、胸が締め付けらた。
僕は、潤が涙を擦ろうとしている手の、手首をつかんだ。
「ごめんね、僕が変なことを言ったから」
潤は、
「ひっ」
と嗚咽して、泣きじゃくった。
「潤、そうか、そんなに悲しいんだ?」
僕は、潤の背中をよしよししながら、抱きしめてやった。
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