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好きですか
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「好き……?」
幼い潤が、少年譲に聞いた。
「好き? じゃなくて、潤君に、聞いてるのに」
譲の友人が、幼い潤を笑った。
「潤、潤は、兄ちゃんが好きですか?」
「えぇ……?」
「譲、嫌われてる。じゃあ、俺は? 俺のこと好き?」
幼い潤は首を振った。
「お前のが嫌われてる」
譲少年が笑った。
「俺は、潤が好き。わかった?」
潤は、頷いた。
「好きだから、ちゅーしてほしいんだけど」
「えぇ……?」
「完璧、嫌われてる」
譲の友人が、腹を抱えて笑った。
「好きって言ってくれないんだぁ。あああ、悲しい……泣いちゃう」
譲少年は、泣きまねをした。
幼い潤は、困った顔になって、心配そうに、譲少年を見ていた。
「どうすんの? 譲、泣いちゃったよ? 潤君が、好きって言ってあげないから、泣かせちゃったね」
と譲の友人が、追い打ちをかけるようなことを言った。
潤は、ますます困った顔をした。
「潤君、譲がちゅーしてほしいって。ちゅーしてあげなよ」
譲の友人の中学生のお兄さんに言われて、幼い潤は、もじもじしていた。
幼い潤は、少年譲の顔から手をどかして、じーっと顔を見た。
譲少年は、迫真の演技で、本当に大きな目に涙をためて、長いまつ毛をしばたたかせていたので、潤はいっそう本当だと思ったようだった。
「潤、キスしてくれる?」
少年譲が、あらためて尋ねると、幼い潤は、ようやく首を縦に振った。
譲の友人が、陰で、
「よっしゃー!」
とガッツポーズをした。
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