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アダム
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大洗氏は、潤に尋ねた。
「今週おかした罪を告白しなさい」
潤は、明るく晴れた五月の朝日が射し込む窓を背に、アダムが、神の前で告解するように、悪びれない裸身をさらしていた。
このアダムは、この狂った家を楽園とみるならば、知恵の実を食べる前なのかもしれなかった。
すると僕は、蛇かイブか。
大洗氏は、神ではないので、楽園追放上等なのだが、潤にとっては神なのだ。
狂った楽園のルールしか知らない潤は、楽園外で、苦労することは目に見えていた。
学校では、まだ、美しさと聡明さと、妙な純粋さで、周囲を魅了して、ルールにはずれた振る舞いをしていても、許されている状態だった。
それでも、潤は、常に、孤独と疎外感に悩まされているようだった。
学校では、のびのびと過ごしていたようだった。一年の文化祭前までは。
その時、上級生に嬲られたのが、学校では安全だという希望を、打ち砕くことになったようだった。
それから、精神的安息の場を失った潤は、快楽にそれを見出すようになっていったものと思われた。
それが、美しい潤にとって一番手に入りやすいドラッグだったからだと思う。
大洗氏は、本来潤が受け取る、正当な財産や権利を保留という形で掌握していて、本当に潤の手に経済的権利が渡るかは、大洗氏の胸先三寸のようだった。
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